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031 がする
五感・感覚を表す名詞 : × + がする
がしない
会話
李 :あれっ、どうしたの?なんだか顔色が悪いような気がするなあ。
百恵:ええ、夕べから少し寒気がするの。
李 :どれどれ、あれっ、すごい熱だ。早退して医者に行った方がいいよ。仕事も大切だけど、体を壊しちゃ元も子もないよ。
解説
「がする」は「を感じる」を意味しますが、前につく名詞は「味・臭い・声・音・感じ・気・寒気・光…」など、
五感で直接感じる対象です。
「不安・怒り・喜び・危険」など抽象的・心理的対象は「不安を感じる」のように「を感じる」を使います。
この表現は「を覚(おぼ)える」を使っても表せますが、少し古い言い方になります。→例題1)
例文
1.隣は今留守のはずなのに、人の声がしました。
2.誰でも褒められたら悪い気はしないものだ。
3.私の家は道路の側にあるので、真夜中まで車の音がして、慣れないうちは眠れなかった。
4.なんだか変な味がするよ。これ腐ってるんじゃないか。
5.第六感というか、嫌なことが起こりそうな感じがする。
例題
1) あっ、稲光が(感じた/した)わ。夕立になるかもしれない(から/ので)、ねえ、あなた、早く帰り(ます/ましょう)よ。
2) 同じ過ち( )何度も繰り返す( )は、あきれ果てて、怒る気も(する→ )。
前課の解答
1) 起ころう/ものなら(「万一」は仮定文型)/恐れ(→文型020)
2) 落後した/はい(→文型003)/の(→文型354)
032 かそこら/辺り/足らず/余り
数詞: × + かそこら ①
名詞: × + 辺り ②
数詞: × + 足らず ③
数詞: × + 余り ④
会話
良子:ああ、寒い。今朝なんか五度かそこらだったのじゃないかしら。マフラーを買わなきゃ。
李 :この辺りにはセンスのいい店がないね。アメ横辺りで買えば一万円でお釣りが来るだろう。行ってみる?
良子:買ってもらえるなら、どこでもいいわよ。いつものあそこで、5時半に待ち合わせましょうよ。
解説
接尾語「かそこら」は「くらい」(→文型071)と同義ですが、その数量を軽視する話者の受け止め方があります。
ですから、「この家は五千万円かそこらで買えるよ」と言えば、その人にとって五千万円は大金ではありません。
ここで概数を表す表現<数量詞+くらい・かそこら・ほど・ばかり・足らず・余り>を整理しておきましょう。
十日±α = 十日かそこら
十日≧α = 十日足らず
十日≦α = 十日余り
「辺り」は名詞(時/ところ/人/こ・そ・あ)について大体の見当・推測を表すのですが、
「付近・周囲」という意味の「辺り」から派生しています。
例文
1.東京から京都まで、あっという間だよ。新幹線で三時間かそこらで着くんだから。
2.あなたにとっては十万円かそこらは小遣い銭でも、私にとっては大金よ。
3.駅まではあっても二キロ足らずだよ。歩いて行こうよ。
4.この仕事には田中君辺りが、適任ではないでしょうか。
5.確か、ここら辺りに置いたはずなんだが、ないなあ。
例題
1) 来年(かそこら/辺り)、大阪支店に転勤という(ことになる/ことになり)そうだから、その(つもり/はず)でいてくれ。
2) 10分余り( )仕事も片づくから、ちょっとここ( )待っていて(いただく→ )ないかしら?
前課の解答
1) した/から(文末が意志表現)/ましょう(勧誘・提案)
2) を(他V)/と(とは②→文型242)/しない
033 か、それともか/か、或いはか/か、またはか
名詞 : × + か、それともか
動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×> か、或いは
か、または
会話
良子:小平も一人部屋をほしがってるし、広い所に引っ越すか、それとも思い切ってマンションを買うか、
決めなくてはいけないわね。
李 :今の給料じゃ、どちらも無理だよ。
良子:ああ、甲斐性のない夫を持つと、妻が苦労するわねえ。いっそ、夫を取り換えようかしら?
解説
これらの文型は例文13のように疑問句AとBを対比させ、どちらか一方の選択を求める場合に用います。
この場合、「Aか、それともB」「Aか、或いはBか」「Aか、またはBか」は同じように使えます。
しかし、「それとも」は二者択一の時にしか使えません。なお、「或いは」「または」には例文4、5のようにそれ以外の用法があり、
その場合には「それとも」が使えません。それ以外に次のような違いがあります。→例題1)
<AもBも、どちらも>
英語も、或いは(×それとも/×または)中国語も通じない。
<AでもBでも、どちらでもいい>
円或いは(×それとも/○または)ドルで支払ってください。
例文
1.バスで帰ろうか、それとも歩いて帰ろうか?
2.中華料理にするの、それとも和食にするの。
3.突撃して活路を開くのか、或いは降伏して命ごいをするのか、もはや道は二つに一つだ。
4.泣いて詫びようが、或いは(×または/×それとも)いくら慰謝料を払おうが、君の犯した罪は消えない。
5.この署名欄には、日本語か、または(⇔或いは/×それとも)英語で御記入ください。
例題
1) 海外ビジネス(において/について)は、現地語(または/それとも)英語ができ(なくて/ないと)困る。
2) 参加するの( )、それともしないの( )、この場ではっきり返事をして(もらう→ )ませんか。
前課の解答
1) 辺り(「N+」に注意)/ことになり(様態の「そうだ」)/つもり
2) で/で/いただけ(可能形を使うと依頼)
034 難い
動詞:[ます]形 + 難い
会話
佐藤:初代の中国事務所の所長を、課長から打診されたんだけど、日本は住みやすいので離れたくないよ。
李 :離れ難いのは日本ではなくて、真理さんなのと違うかい?でも、どこでも「住めば都」だよ。
佐藤:所長だなんて急に言われても、にわかには受け難いよ。気持ちの準備もできていないしさ。
解説
「難い」は「するのが困難だ」と意味ですが、人間の心理・思考面を表していて、実際は「しようとしてもできない」
不可能な事態を表します。この点が類義表現「にくい」(→文型306)との大きな違いで、「にくい」は
「難しいが、しようと思えばできる」事態を表しています。→例題1)
その要求は受け入れ難い。 ≒ 受け入れられない
その要求は受け入れにくい。≒ 受け入れられないことはない
例文
1.信じ難いことだが、彼は会社の金を使い込んでいたそうだ。
2.彼は得難い人材だ。会社の将来は彼のような若者の肩にかかっている。
3.耐え難きを耐えてこそ、忍耐と言える。
4.これはちょっと言葉では表し難い珍味ですなあ。
5.君の企画案は単なる思いつきに過ぎず、具体的なプランもない。これでは採用し難いね。
例題
1) もしこの交渉(が/を)決裂(すれば/しても)、両国の全面的な軍事衝突は、もはや避け(難く/にくく)なる。
2) 香港の夜景の(美しい→ )は、正に筆舌( )(尽くす→ ) 難いものだった。
前課の解答
1) において(→文型291)/または/ないと(理由か条件か)
2) か/か/もらえ(可能形を使った依頼)
035 かたがた
名詞: × + かたがた
会話
山田:打ち合わせを早めに切り上げて、工場見学かたがたお花見に行かないか。夕日を浴びながらのお花見。
たまにはのんびりしようじゃないか。
佐藤:おやおや、お花見かたがたの工場見学と言った方が正確じゃないの?困った方々だなあ。
山田:行きたいなら、がたがた言わないこと!
解説
「かたがた」は「AかたがたB」の形をとり、同一主語文で使われ、同一時間帯のなかで「Aをする機会を使って、Bをする」
並行動作を表します。丁寧な語感なので、手紙や公式の会話で多く使われます。同義表現に「がてら」(→文型038)
があり、こちらは日常会話で 多く使われます。どちらも動作Aが主で動作Bが従の関係にあります。
散歩かたがた(・がてら)、話しましょう。
「AついでにB」(→文型163)も似た意味を表しますが、Bは付け足しの行為で異なる時間帯の動作です。→例題1)
例文
1.夕涼みかたがた、図書館に寄ってみた。
2.墓参りかたがた、幼友だちに会って来ようと思う。
3.お願いかたがた、近況御報告まで。 敬具
4.近くに来るついでがございましたので、先日のお礼かたがた、お伺いしました。
5.上海出張かたがた、足を伸ばして黄山に登ってきた。
例題
1) 近日中に(お/ご)挨拶(のついでに/かたがた)、(お /ご)伺い(になりたい/したい)
と思っ(ております/ていらっしゃいます)。
2) お寺参り( )かたがた、浅草へ(遊ぶ→ )に(行く→ )みませんか。
前課の解答
1) が(自V)/すれば/難く(不可能の意味の方が自然)
2) 美しさ(Nの形)/に/尽くし(「筆舌に尽くしがたい」は慣用語)
036 かたわら
名詞: の + かたわら
動詞:原形
会話
課長:新聞でも紹介されていたけど、田中さんは仕事のかたわら、自治会の会長としても地域で大活躍だね。
李 :奥さんも、中国帰国者に日本語を教えているボランティアグループのリーダーらしいです。
課長:有能な男のかたわらに良妻ありというところだな。君も地域活動で中国語を活かしてみたら?
解説
「AかたわらB」は「Aする一方でBする」とほぼ同義表現ですが、動作Aと動作Bは異なる時間帯で行われ、
しかも習慣的な行為に用いることが多いでしょう。この点がAとBが同一時間帯で行われる並行動作を表す
「ながら」(→文型269)と異なっています。→例題1)
歩きながら(×かたわら)タバコを吸う。
その他、「かたわら」には会話中の「男の傍(かたわ)ら」や「母が料理を作るかたわらで、子供たちが遊んでいる」
のように「側」という場所も表します。
例文
1.彼は会社に勤めるかたわら、英語学校で勉強している。
2.A社は不動産業のかたわら、飲食店も経営している。
3.あの人は農業のかたわら、農閑期は演奏活動もしているシンガー・ソング・ライターよ。
4.あいつは嫌な奴だ。本人の前では胡麻をするかたわら、裏で陰口をたたいている。
5.子育てのかたわら書きつづった随筆が、ベストセラーになった。
例題
1) 休日(ぐらい/ほど)は、音楽でも(聴きながら/聴くかたわら)、のんびり過ごしたい(こと/もの)だ。
2) 留学生の(多い→ )は大学( )通うかたわら、学費を稼ぐ( )( )にアルバイトもしている。
前課の解答
1) ご/かたがた(ついでに→文型163)/お/したい/ております
2) ×/遊び(「ます形+に行く」)/行って(→文型197)
037 がちだ
名詞: × + がちだ
動詞:[ます]形 がちなことだ
がちの + 名詞
会話
課長:君、この頃元気がないね。いつもの君らしくないので、部長と心配しているのだよ。
李 :子供がよく熱を出すので、どこか悪いのではないかと心配で。医者は何でもないと言っているのですが。
課長:子育てに慣れないうちは、親もあれこれ悩みがちだが、小さな子にはありがちなことだよ。
解説
「がちだ」は「する傾向がある」「よく<回数>する」という意味を表す表現で、述べられることは良くない傾向です。
例えば、下の例のように良い傾向には「よくする」を使ってください。
○ あの人は、よく公園をジョギングしている。
×あの人は、公園をジョギングしがちだ。
ほぼ同義語に性向を表す「嫌いがある」(→文型063)がありますが、この表現は回数が多いことや一時的現象には
使えません。
例文
1.この種の間違いは、初心者にありがちなことだ。
2.この子は小さい頃から病気がちで、しょっちゅう医者通いをしていました。
3.明日は午後から、曇りがちの天気になるでしょう。
4.疲れているときは、不注意による事故が起こりがちだ。
5.ふと浮かんだアイディアというのは忘れがちだから、必ずメモに残すことにしている。
例題
1) 若いうち(は/に)、正義心から、(とかく/とにかく)極端に(走る/走り)がちだが、理想論だけで世の中は変わる
(こと/もの)じゃないんだよ。
2) その人は遠慮( )( )に、 「あのう、ここ( )タバコを吸ってもいいですか」( )私に聞いた。
前課の解答
1) ぐらい(最低限→文型072)/聞きながら/もの(→文型130)
2) 多く(「多く」はN)/に/ため(目的の「ため}→文型152)
038 がてら
名詞: × + がてら
動詞:[ます]形
会話
李 :夕涼みがてら、井の頭公園でも散歩しないか。
良子:男の人って優雅でいいわねえ。女の私はどこへ行くにも買い物がてらよ。
李 :わかった、わかった。ついでに吉祥寺の街に出て、夕食の材料も買って来よう。荷物は僕が持つからさ。
良子:ねえ、夏物の服も買っていいかしら?
解説
「がてら」は「Aをしている時間を使って、Bをする」と言う意味を表す表現で、同一時間帯のなかで、
主たる動作Aに並行して、従たる動作Bをすることを表現します。
また、同義表現の「かたがた」(→文型035)、「ついでに」(→文型163)も併せて参照してください。
なお、このふたつの文型は同時並行動作は表せません。
散歩がてら(・かたがた/・ のついでに)本屋に寄る。
散歩がてら(・かたがた/×のついでに)話をしよう。
例文
1.神社のお祭りを見物がてら、夜店でものぞいてこようよ。
2.中国旅行がてら、教え子に会って来ようかと思う。
3.私は毎朝この道をジョギングがてら、思い浮かんだことを俳句にしている。
4.市場調査がてら都内の繁華街を冷やかして歩くのが、まあ、私の道楽のようなものです。
5.料理を作りがてら、聞くともなく聞いていたラジオから、 懐かしい歌が流れてきた。
例題
1) A君は病気療養中との(こと/もの)だから、見舞い(ながら/がてら)、家に寄って(みる/みよう)よ。
2) (散歩する→ )がてら、古本屋に(寄る→ )、本を数冊(買う→ )来た。
前課の解答
1) は/とかく(傾向)/走り/もの(ものではない→文型420)
2) がち/で/と(内容・発言を取り上げる「と})
039 かと言うと/かと言えば
なぜ 名詞 : × + かと言うと
どう 動詞・形容詞:普通形<ナ形 ー×> かと言えば
どうして
どちら
会話
李 :ねえ、どちらの服が似合う?
良子:どちらかと言えば、右手に持っている明るい色の方がいいと思うわ。若々しくていいんじゃない?
李 :少し派手じゃないか?
良子:そんなことないわよ。日本のサラリーマンは黒っぽいのとか、灰色っぽいのとか、とにかく地味すぎるのよ。
解説
「かと言うと/かと言えば」は疑問詞と呼応して、「のことに関して語れば」という意味を表します。
多くは「なぜかと言うとからだ/どうしてかと言えばからだ」のように理由を述べることが多いのですが、
「どう/どちら/どんな…」などとも一緒に使うことができます。
なお、「なぜかと言うと/どうしてかと言うと」などの接続詞もここから生まれています。例文5のように、希に疑問詞を
含まない用例もありますが、相手方にとって意外なこと、想像もしなかったことを表すことが多いでしょう。
例文
1.どちらが好きかと言えば、やはり僕はこちらの方ですね。
2.誰が適任かと言えば、やはり山田君以外にいないだろう。
3.日本語の学習にはどんな方法が一番いいかと言うと、とにかく丸ごと暗記することでしょうね。
4.成功の秘訣ですか?どうすれば夢を実現できるかと言うと、そうですねえ、夢を持ち続けることでしょうね。
5.親が教師だから、その息子も勉強ができるかと言えば、 そうとばかりは言えないようです。
例題
1) なぜ僕(は/が)怒っているかと(言えば/言って)、君が自分の失敗を人のせいに(する/しよう)とするからだ。
2) お金があるから幸せ( )と言う( )、一概にそうとは(言える→ )わけです。
前課の解答
1) こと(とのことだ→文型209)/がてら/みよう(勧誘・提案)
2) 散歩し/寄って(=て、それから)/買って(→文型181)
040 かどうか/か否か
名詞 : × + か否か
動詞・形容詞:普通形<ナ形ー×> かどうか
かどうかにかかっている
か否かにかかっている
会話
良子:その人が成功するか否かは、何によって決まるのかしら。あなた、どう思う?
李 :才能があるかどうかじゃないのかなあ。いくら努力しても駄目な人もいるしね。それに運もあるなあ。
良子:でも、「玉磨かざれば光なし」って言うし、努力なくして成功はあり得ないと思うわ。
解説
「か否か」は文語表現で、口語の「かどうか」と同義です。また例文5のように「(かどうか/か否か/如何)
にかかっている」の形もよく使われますが、この「にかかっている」は「によって決まる」を意味します。
合格するかどうか(・か否か)は、努力するか(・か否か)にかかっている。
例文
1.それが事実かどうか、調査する必要がある。
2.賛成か否か、自分の意見をはっきり言いなさい。どっちつかずは卑怯です。
3.原発を存続させるか否かをめぐって、国論は真っ二つに割れている。
4.やるか否かは、状況如何にかかっている。
5.この製品が売れるかどうかは、宣伝が充分かどうかにかかっている。
例題
1) 勝てる(や否や/か否か)は天(のみ/しか)ぞ知るだよ。やってみなく(たって/ちゃ)わからないさ。
2) おいしい( )どう( )は食べてみればわかる。実践 こそ真理に近づく道では(ある→ )まいか。
前課の解答
1) が/と言えば/しよう(→文型441)
2) か/と/言えない(陳述副詞:一概にとは言えない) |
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